ロシア軍機の領空侵犯に対する日本の静かな「配慮外交」は逆効果である

ロシア
防衛省資料「ロシア機による領空侵犯について」より

20日、ロシア軍爆撃機2機が、白昼堂々の領空侵犯をしたが、これに対して日本側の対応があまりに静かすぎる。

事件は20日午前8時53分ごろに発生した。日本海から対馬海峡を通過して東シナ海を飛行後、太平洋を北上した際、沖縄・南大東島領海上空に侵入し、さらに同10時22分ごろ、うち1機が東京・八丈島領海上空に侵入したため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)している。

日本の弱腰対応

これを受けて、日本の対応が静かすぎる。いわゆる弱腰、腰砕けに過ぎるのだ。

まず岩屋防衛相は「遺憾である」とコメントするのみ。(「遺憾」に相当するようなロシア語ってあるのだろうか? 「残念です」くらいにしか訳されていないのでは?)

河野太郎外相は会見で政府対応などを問われても「事務方にお尋ねいただきたい」と繰り返しすのみ。

官邸はと言えば、菅官官房長官が「ロシア側の意図を分析中」などと述べるにとどめた。日露首脳会談で取り上げるかや、日露平和条約交渉への影響を問われても答えなかった。

ことは領空侵犯である。先日、イランの領空を侵犯したアメリカの無人偵察機が、イランに撃墜された。当然、アメリカの急進派は色めき立ったが、ホワイトハウスはこれを抑えた。(トランプ大統領は「友人機だったら違っていただろう」とコメントしているが…)領空侵犯というのはそれだけ重いことであって、しかも侵犯した側に常に非がある。

日本も、実際に撃墜するかどうかはともかく、緊急発進(スクランブル)した自衛隊機は、それこそ火器管制レーダーでロックオンしてもいいくらいだし、政府は「次に侵犯があったら撃墜する」くらいのことを言って警告すべきなのである。

外交ができない現代日本

おそらく首相官邸には、G20を控え、また日露平和条約、北方領土交渉を前に、ロシアを刺激したくない、というような思いがあるのだろう。しかし、ロシアは日本の領土に対する思い、防衛意識がどの程度のものか常に注視しているのだ。今回の領空侵犯もその観測の一環であるはずで、チャイナの領海侵犯にも韓国の不法占拠にも一向に行動を取らない、ロシアが領空侵犯してみても「残念」しか言わない、そんな国の領土交渉には一切の迫力も説得力もなく、おそらくプーチンは今回の領空侵犯の結果で、北方領土を一島たりとも引き渡さない覚悟を、いよいよ固めたことだろう。

今からでも遅くはない。ロシアの領空侵犯に対し、強く非難の声明を出し、国際的にアピールし、G20の日露首脳会談では、事の次第とロシアの意図を強く詰問するべきである。それが外交というものであり、自国の立場と国益を強く主張しない限り、真の平和条約締結などありえない。

しかし、日本は占領政策基本法(通称・日本国憲法)の制約があるために、外交権の一部が制限されている。外交はそもそも軍事力を背景にして行なうものなので、占領下でできる「外交」などたかが知れているのだ。占領政策基本法を「憲法」として放置している限り、北方領土の返還、ロシアとの平和条約など、夢のまた夢である。

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防衛省・自衛隊:ロシア機による領空侵犯について

(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. 北朝鮮問題で
    安倍は足元見られたってこと

  2. ロシアって粗暴犯そのものだな。北方領土問題で金をせしめようとしたところ
    日本が交渉をトーンダウンさせると、今度は軍力で脅しだよ。こんな国は、
    北朝鮮と韓国と同じ。経済的に苦しめるしかない。ロシアの場合は国土が
    広いから、経済的圧力には時間がかかる。その一方、政府は地方を抑えるのは
    難しい。その内、内乱が始まる。日露戦争でロシアが講和を受け入れたのも、
    内乱の拡大を恐れたから。広い国土が弱点である。

  3. 何故か普段ならやってやったアピールするロシアが知らぬ存ぜぬだから
    現場の暴走の可能性が高いっちゃ高い。プーチンが慌てて
    安倍と私で平和条約と北方領土は解決できるとか言い出したのは、多分これが理由
    逆に言えばプーチンの求心力が低下してきたと

  4. 北方領土固有の領土から放棄
    3000億円プレゼント
    領空侵犯にはダンマリ

  5. 安倍のロシア外交は一貫して駄目なんだよな
    ここで口だけでも批判しないのは間違い

  6. 弱腰も糞もロシアと中国はやり合いたくてしゃーないからなぁ
    向こうは核落としても問題なく後腐れない唯一の国が日本なんで
    アメリカがでしゃばらない限り好きにやるわなぁ自国に攻撃されんしw

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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