戦艦長門の日章旗を1千万円でアメリカから買い戻した石坂浩二の大和魂

アメリカ

14年前の知られざる逸話が初めて明かされた。骨董品・美術品鑑定の人気テレビ番組『お宝鑑定団』で、平成17年にアメリカから出品された『戦艦長門の日章旗』を、石坂浩二が自費で買い取って大和ミュージアム(広島・呉)に寄贈していたというのだ。

2019年4月30日放映『何でも鑑定団 お宝鑑定スペシャル』より

3年ぶりに番組出演の石坂浩二の「心に残る逸品」のコーナーにて。

石坂浩二「戦艦長門の日章旗。
これは天皇陛下がいるようなときにだけ掲げられるという特別なものなんです。
対象二年頃に作られたものじゃないかと。
あとは中将旗と~~旗って言うんですかね。(筆者注:正しくは少将旗と先任旗)」

石坂浩二「戦艦長門っていうのは、いろいろな逸話がありますけど、一つは、戦争が始まるときに『ニイタカヤマノボレ』という暗号を、日本が打ちましたよね。あれ戦艦長門からなんです。
山本五十六が乗ってて、その頃連合艦隊の旗艦でしたから。
そういう船の日章旗が向こうに…アメリカに渡ってて、アメリカの方が出品なさったんです。」

今田耕司「言うたら大事に保管されてたと。」

石坂浩二「そうなんですよ」

(戦艦長門の旗が登場したのは、平成17年9月のことでした。)

依頼人「これらは終戦直後に、戦艦長門に掲げられていた旗です。」

(これは、依頼人の父が、元海軍将校フリン大佐から、死の直前に託されたもの。


(実はこのフリン大佐こそ、終戦後、長門がアメリカ軍に接収された際、指揮を取っていた人物でした。

鑑定結果は、なんと1000万円。)

(そしてその後、石坂さんは自費でこの旗を買い戻し、翌平成18年9月、広島県呉市の大和ミュージアムに寄贈したのでした。)

今田耕司「買い戻されたんですか?」
石坂浩二「 そう。」
今田耕司「 これは日本にあるべきだと。」
石坂浩二「 うん。」

日本を想う石坂浩二の心の美しさ

感服した。芸能人とはいえ、財産があるとはいえ、1千万円。気軽にぽんと出せる金額でははない。それでも石坂浩二は、かつて日本のために戦った、栄えある帝国海軍の元・旗艦に掲げられていた大事な日章旗が、アメリカ人に「戦利品」として接収されていることを看過できなかったのだろう。そこで声を上げるでもなく寄付を募るでもなく、人知れずそっと買い戻して、大和ミュージアムに寄贈していた。誰にでもできることではない。

石坂浩二は、番組の後半はプロデューサーに敵視され、放送時には発言を全部カットするなどの執拗な嫌がらせを受けていた。しかし、真の文化人、顕彰されるべき人間性というのは、言葉がなくとも、こうして静かなる善行として示されるのだった。

(文・櫻木)

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記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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