憲法最大の欠陥とは? あろうことかロシアに謝罪しに行ってしまった維新の会の失態

ロシア

先日、北方領土の島民との交流で「戦争しないと島は取り返せないのではないか?」と発言した丸山穂高議員が、 日本維新の会を除名されました。維新は除名だけでは飽き足らず、立憲民主党などの野党6党派と共同で、議員辞職勧告決議案が衆議院に提出されました。自民党は拒否しました。

維新の会の本拠地の大阪では、所属の地方議員たちも辞職を求める署名活動まで行っています。

大阪府最西端・最南端、関空全域を含む第19選挙区の維新所属地方議員全員が署名・捺印。 誠に、残念です。大事を為す闘いまであと少しのところまで来て、何でこんなときに、こんなとこで、死んでんねんと、無念です。 しかし、ケジメです。

この行動について、人気ブロガーでもある 行橋市議会議員の小坪慎也氏は、次のように論評しています。

丸山穂高議員に対し、支部長を降りるよう、また議員辞職するよう求めて署名。それをネットに公開する。 まさに公開処刑、リンチ政党だと思うわ。こわっ なんか独裁政治みたいと思った。

小坪慎也@トレンド1位さんのツイート: “

全く同感です。この維新のパニックにも似たヒステリックな行動は、少なからず党の支持と評判とを下げたのではないでしょうか。

あろうことかロシアに対して謝罪

しかも、維新の本部は、丸山発言が表に出て以来、焦ってロシア大使館に駆け込んで謝罪まで実施しました。謝罪ですよ、謝罪。ポツダム宣言、終戦後に国際間条約を破って侵略して不法占拠したソ連の行為をそのまま継承して居座っているロシアに対して、謝罪?

クリル諸島の領有権はロシアにあり、これは第二次世界大戦の正当な結果だ。これを受け入れなければ、日本とのいかなる話にも応じられない」等といけしゃあしゃあと公言しているロシアに対して、「所属議員が『戦争しないと取り返せないのでは』なんてオフレコ発言をしてしまいまして、申し訳ございませんでした」と謝罪!?

報道によると、

日本維新の会・片山虎之助共同代表 「丸山参議の、言論に対する釈明とネ、それと大変、迷惑をかけたことへのお詫びを申し上げました

だそうです。ハァ…。( 丸山穂高議員に対する議員辞職勧告決議案提出 維新は「おわび」にロシア大使館へ(MBSニュース) – Yahoo!ニュース

なんと無様なことをしてくれたものでしょうか。これで、北方領土は向こう100年は戻ってこなくなったことでしょう。少なくとも交渉での返還はまず無理でしょう。かかる結果を招いたのは、丸山議員の不適切な発言ではなくて、その発言を受けて恐慌に陥って軽挙妄動に走った維新議員たちです。

これまで、維新の会は現行憲法に対して懐疑的であることから、保守派の支持も一定数集めていたことと思われますが、今回の件で化けの皮が剥がれたのではないでしょうか。土井議員のツイートにある 「何死んでんねん」という言葉が向けられるべきは、維新の会そのものでしょう。

誰に何を謝罪するべきだったのか

丸山氏が、また維新の会が謝罪しなければいけなかったのは、島民の会に対してのみです。例えば国会の場で、領土問題の議論として発言したのなら問題はありませんでした。島民との交流会で、メディアが取材中のところへ、島民本人に対して「戦争をしてでも取り戻したいですか」という発言、質問は不適切にも程がある。これに対しては謝罪する必要がありました。

ただしそれは、「戦争」という外交の究極の選択肢が、本来は国には自然権としてあるべきことや、言論としてそれを口にすることすら戒めることだったりしてはならないし、まさに武力を持って我が領土を不法占拠しているロシアに対して謝罪をするような党は、日本にとって百害あって一利なし、です。

国際感で、武力を背景にした交渉があるのは当然です。というか、世界の外交というのはそれが暗黙の了解、常識です。

アメリカのセオドア・ルーズベルトが、かつて 「棍棒外交」「speak softly and carry a big stick(棍棒を携え、穏やかに話す)」 という概念で、これをうまく説明していました。棍棒を持たない者が、いくらソフトに喋ったからって、誰も聞くものなどいないのです。

領土について書かれていない「憲法」

国際法上、国家として認められるものは、領土、国民、主権という「国家の三要素」を満たすものです。は国家として認められます。日本ももちろんこれらを有していますが、「日本国憲法」と呼ばれる法律(占領政策基本法)には、国民と主権についてしか書かれていない。他国の憲法には当たり前に書かれている、領土に関する記述がどこにも存在しないんですね。交戦権も否定し、領土については何も触れていない。

こんな代物を「憲法」として押しいただいている限り、日本の主権も、そして国民も危うくなりますし、ロシアとの領土交渉などできるはずもないのです。

(文・櫻木)

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記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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