これを責めてはいけない2事件 1.緊急地震速報で誤報 2.警察官が強盗を返り討ち

時事直言

世の中には批判されるべき事件、責められるべき問題が多々ある。ありすぎて小欄の更新が追いつかないくらいだ。しかし、こういう事件は批判してはいけない、という直近の事例2件をご紹介しよう。

1.緊急地震速報で誤報

本日30日午前、千葉県を中心とする関東地方に緊急地震速報が発表された。ところが、待てど暮らせど、一向に強い揺れはやってこなかった。その後、午前11時半になって気象庁が会見を開き、地震津波監視課長が次のように説明、謝罪した。

「緊急地震速報の処理において震源を本来とは異なる位置に決定し、マグニチュードを過大に推定した。国民のみなさまには多大なご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします」

気象庁は午前9時38分ごろ、房総半島南方沖に強い地震が発生したとして緊急地震速報を発表し、東京の三宅島で最大震度5強など大きな揺れに警戒を呼び掛けたものだ。しかし、実際にはその2分前に鳥島近海で発生したマグニチュード5.8の地震を、「緊急地震速報処理をするにあたり実際とは450キロほど離れた房総半島南方沖に震源を決定した」ため、マグニチュードが7.3と非常に大きなものと決定して緊急地震速報を出したということなのだ。つまり結論としては操作ミスか何かのため、誤報を出してしまったということになる。

けたたましく鳴り響く携帯電話や地域の警報でドキッとした方も多いだろうが、もし実際にマグニチュード7.3の地震が直下型で起きたとしたら、阪神・淡路大震災と同じ規模になる。誤報を恐れて警報を発報するのが遅くなるとしたら、緊急性を失ってしまう。もちろん、何度も誤報があればオオカミ少年となって信憑性を失ってしまうので気をつけてはほしいが、地震速報が国民に届く、という仕組みを維持すること、機能することが重要なので、あまり責めてはいけないと思う。

2.警官宅に押し入った強盗が返り討ちに会い死亡

横浜市の住宅に男が押し入り、住人女性を脅して現金を奪おうとしたが、警察官の長男に取り押さえられて意識不明になり、搬送先の病院で死亡する、という事件があった。

事件は30日午前2時すぎに発生した。この強盗は横浜市の住宅に押し入り、居間で寝ていたこの家に住む60歳の女性の首を絞めて「金を出せ、騒ぐと殺すぞ」と脅した。実はこの女性の長男は警察官(神奈川県警の巡査部長)で、女性が悲鳴をあげると、この長男がかけつけ、男を取り押さえたということだ。

その後、通報を受けて警察官が駆けつけたときには男は制圧されて意識不明の状態で、病院に搬送されましたがまもなく死亡した。

日本では、とかく左翼マスコミが反権力思想を持っているからか、警察の発砲事件やこうした犯人逮捕時の死亡事件を「不祥事」のようなニュアンスで報道したがる。しかしこの事件は、犯人逮捕時のものではない。深夜に、自宅に強盗が押し入り、しかも実の母の首を絞めて脅していたのだ。これを防ぎ、母親を守ったこの警官は、英雄である。むしろ顕彰されて叱るべきだ。

「そこまでやると過剰防衛になるのでは…」と思った方もいるかも知れない。しかし日本の法律(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律)では「盗犯ヲ防止シ又ハ盗贓ヲ取還セントスルトキ」などの場合に「自己又ハ他人ノ生命、身体又ハ貞操ニ対スル現在ノ危険ヲ排除スル為犯人ヲ殺傷シタルトキ」については防衛行為にあたるものとする、と規定されている。つまり強盗に対しては、正当防衛の範囲がほぼ無制限に適用され、たとえ殺害してしまったとしても、罪には問われないのだ。

この警官を顕彰し、こうした法律の存在があることをクローズアップして報道すれば、それが強盗に対する抑止力にもなるだろう。

母親を守り、地域社会の安全に貢献したこの警察官は、英雄である。

盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律
(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. 警察官多数が一人の容疑者を押さえて死なせたのなら問題だが1対1だからな
    犯人が観念せず必死で抵抗すると警官もそれに対抗して力を入れざるを得ない
    あと押さえられた方が極度に興奮すると危ないらしい。過呼吸でも起きるのだろうか

  2. まあ目の前で母ちゃんの首しめられたら半殺しにはするわなw

  3. 1対1で相手がどれくらい強いのか分からないのに加減なんて出来ないよ

  4. それはある。もう抵抗しないと思って手加減したら、
    反撃されて親子共々殺される事もあるからな。

    俺は柔道の経験ありだが、押さえつけたは取りあえず絞めて落とすな。
    試合なら落ちたらすぐ分かるから離すが、
    興奮してたらそのまま絞め続けるかもしれない、そしたら

  5. これ思い出したどうなった??

    女性は、男からキスされたり、体を触られたりしたが、男が地面にナイフを置いたのに気付いた。そこで、すきを見てナイフを奪い、男の右太ももを刺して逃げた。そして、通りがかった人に助けを求めたというのだ。

    この通行人が110番通報し、警視庁の西新井署員が駆け付けたところ、男は近くの路上で太もも付近から大量に出血し、意識を失っていた。病院に搬送されたものの、間もなく死亡が確認された。

    警視庁は、容疑者死亡のまま、強姦未遂などの疑いで男を書類送検する方針だという。男を刺した女性については、傷害致死の疑いで書類送検するというが、正当防衛だとみなされる可能性があると報じられている。

  6. あったね
    確か被害者は10代だったはず
    正当防衛になったと思うけどどうなったんだろ

  7. 警官を支持します。

  8. 英雄やん!
    こんなん女ばっかだったら殺されとるかもしれんやろ

  9. 長男が警察だったとか関係なくこれが罪に問われるようだったら日本終わりすぎているわ
    無罪

  10. かじった知識で過剰防衛とか言ってる奴はちゃんと調べろ
    強盗については特別法があるんだよ
    盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律というもの
    この法律で正当防衛になることが規定されている
    強盗犯はボッコボコにしても罪に問われないルールになっているのよ

  11. これ昔の法律だが今もちゃんと適用されているものなので
    知らん人は驚くかもしれんが、犯人を殺傷しても罰しないとなっているのよw

    盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律

    自己又は他人の生命、身体又は貞操に対する現在の危険あるに非ずと雖も行為者恐怖、驚愕、興奮又は狼狽に因り現場に於て犯人を殺傷するに至りたるときは之を罰せず

  12. このお巡りさんを責めてはならん
    この息子さんが不在なら、母上は殺されていたかも知れん

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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