「アメリカ暴動で中国の五星紅旗を掲げる暴徒が出現」のデマにご用心! しかしANTIFAはこれまで実際に共産主義の旗を掲げてきた

アメリカ

昨日記事で取り上げたように、アメリカ全土に広がっている暴動には、裏で工作資金を投入している者が確実に存在し、また巷間言われているようにアンティファがかなりの存在感と動員でもって扇動工作を実施し、デモの民衆を暴徒化することに成功している。

チャイナ外交部の趙立堅ちょう・りっけん報道官は1日の定例記者会見で「黒人の命も命だ。彼らの人権も保障されるべきである」と嬉々としてコメントした。これまで、チャイナはチベットやウイグル族に対して行なっている弾圧と民族浄化の国家的蛮行により、アメリカからは厳しく避難されてきた。人権問題でアメリカに言い返せるのが嬉しくて仕方ないようだ。(どうやらチベット人の命は命ではないし、ウイグル人の人権は保障の対象外らしい。)

そしてとうとう、ネット上では、暴徒がチャイナの五星紅旗を掲げ始めた、という情報が出回り始めた。ああ、やはりANTIFA(アンティファ)は反ファシズムとかいいつつ、結局は共産主義者のアナーキストだったのか、そして裏で糸を引いているのは中国共産党だったのか、と早合点しそうになるが、だがちょっと待ってほしい。

画像A。人民帽風の帽子をかぶり、五星紅旗と『CHINA DAILY』を持って歩く抗議者の男性。

画像B。チャイナに助けを求めるプラカードを掲げる抗議者。

画像C。デモ隊の後ろにはためく共産主義の旗。

画像D。武装したアンティファ隊が持つ共産主義のシンボルをあしらった盾。

結論から言おう。これらの画像が、「今回のミネソタから始まったアメリカ暴動の写真だ」という情報は、全てデマである。

しかし、事態をわかりづらくしているのは、このデマには次の二種類のデマがあるということだ。

デマ写真パターン1。別の時、別の場所で撮影された写真。

デマ写真パターン2。コンピュータで加工されたコラージュ写真。

デマ写真パターンの解説

画像Aは、今回の抗議デモ、暴動で撮影されたものではなく、2011年に発生した反格差運動「ウォール街を占領せよ」のときのものである。そしてこの男性はチャイナ支持、というわけではなく、オバマと胡錦濤が握手している英字チャイナ紙を手にしているので、チャイナマネーに関する何らかの批判的な主張をしているようである。よくみると五星紅旗にも焦げ跡のようなシミのような汚れがある。

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画像Bは、悪質なコラージュ写真である。愉快犯が行なったものか、チャイナにアメリカ国民の憎悪を集めたいものがやっているのか定かではないが、一昔前と違い、PC性能の向上により、こうしたコラージュ写真はプロでなくてもかなり手軽に作れるようになっている。他にも複数のデマコラージュ写真が出回っているので、絵的なインパクトに騙されずによくよく考えたい。

元の写真

合成写真

「違う種類の写真」「コラージュ写真」で話が済めば、「なんだ、やっぱりアンティファだからってコミュニストってわけじゃないのかしらん」となるが、そういうわけでもないのだ。

アンティファは実際にコミンテルンの旗を掲げていた

画像Cは、2018年10月にオレゴン州ポートランドで発生したアンティファによる暴力的デモで、実際に掲げられた旗である。

Chaos Spreads In Portland, Mayor Defends Not Intervening In Violence
Violence increased in Portland, Oregon over the weekend, as members of the left-wing group Antifa clashed with people protesting the group's apparent takeover o...

画像Dは、これもやはり同日のポートランドのもの。

Proud Boys Dwarfed by Anti-Fascist Protesters at Portland Rally
But thanks to a tweet from President Trump condemning the left-wing antifa counter-protesters, the Proud Boys saw it as a victory, as well.

黒いヘルメットや服で武装した集団は、手に手にゲバ棒を持ち、コミンテルンの旗を掲げている。つまりやはりアンティファは、反ファシストと言いつつ、その「ファシズム」は「米帝国主義」「グローバリズム」といったものに対するアンチテーゼであり、「敵の敵は味方」理論なのかどうか知らないが、その主張は結局は共産主義、アナーキズム、暴力に帰結するのである

今回のデモでは、まだ目立った写真は出てきていないようだが、いずれアンティファのシンパが五星紅旗かコミンテルンの旗を掲げ始めるであろうことは、想像に難くない。

デマに用心しつつ、注意深く観察し、日本国内のアンティファシンパの動きにも目を光らせなくてはならない。

(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. 結局共産主義者や無政府主義者の集まりっていうのは嘘でもなんでもないってことやね

  2. 仮にも人種差別に対する抗議デモのはずなのに
    無関係の商店襲う略奪起きまくってるしアメリカ国旗燃やしてる輩もいるしな
    もはや完全に中国が仕掛けたテロだよ

  3. まあ組織工作はあるよな

    米首都デモにデマ拡散ハッシュタグ ツイッターが調査
    https://www.afpbb.com/articles/-/3286148

    >エングラー氏によると誤情報を広めたがる人々は、ミネアポリス(Minneapolis)での黒人男性の死に
    >対する抗議行動を背景とする怒りに同調させることで拡散しやすい感情的なコンテンツの作成方法を熟知しているという。

  4. もう戦争は始まってる
    日本も公安総動員で特定野党を含めマーク強化しとけよ

  5. ベトナム反戦運動で北ベトナムの旗上げてたやつと同じだ
    ちょっと脳ミソが足りない連中さ
    デモが流行るとこういう足りない奴らがイキりたがるwww

  6. 現代版コミンテルンのアンティファが言うファシズムってのはほぼ資本主義と同義だよ
    だから共産主義ファシズムは攻撃の対象にならないどころかむしろ奨励の対象となる

  7. 共産主義者はナチスと同じと思われたくないからナチスが極右って大嘘いうがナチスは社会主義の極左でしょ
    アンチファシストとか言いながらコミンテルンの旗を振るコイツ等は頭おかしいだろ

  8. そもそもアンティファが生まれたイタリアは、ムッソリーニに対峙する事。

    実際、第二次大戦中にイタリアが南北に割れてアンティファは南イタリア側。この南イタリアの正体は『連合国(コミンテルン)』です。ムッソリーニは北イタリア側(第二次大戦で敗れたイタリアは北イタリアを指す)となった後、ムッソリーニ政権転覆によって連合国支配の南イタリアが勝利した。

    無論『連合国』となってるため、ちゃっかり日本からの賠償金はがっぽりとおこぼれは分けてもらってた(ドイツの場合は、全部ナチスが悪いので払う義務はないと突っぱねてる)。

    だからアンティファがコミンテルンの旗を振るのは何ら不思議じゃない。

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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