韓国ドラマ『チャングムの近い』の大嘘 本当の韓国宮廷料理を教えよう

韓国

先月上旬、シロガネに“ヨン様プロデュースのレストラン”がオープンしたのをご存知だろうか。
ランチ予約は2カ月待ち!「ヨン様レストラン」がオープン

2ヶ月も先まで予約で一杯ということで、かなりの盛況のようだが、その内容が今注目されているのだ。

週刊文春の人気連載に、レストランを紹介するコーナーがある。大抵は80点台、酷評でも70点というこのコーナーで、この“ヨン様レストラン”がなんと最低ランク以下の50点台という低記録をたたき出したのだ

夜のコースは両班(ヤンバン・貴族)の家庭料理が味わえる1万500円~。
今回、頼んだのは両班の宴会料理「祝宴床(チャンチサン)」1万5750円だったんだけど、これって円じゃなくてウォン(ほぼ十分の一円)の間違いでは?
ゴージャスな仕掛けが嘘のようなお粗末ぶりに、いやー参った。

手づかみでどうぞと言われた「前菜 大地の恵みの蒸し物」は一口サイズのとうもろこしにツマイモ、里芋、韓国にんにくと枝豆。
同伴者の「田舎の縁側でばーちゃんが喰わせてくれたおやつだよな」に深く納得する。

高矢禮(ゴシレ)

A:料理…14点 B:サービス…11点 C:客層を含めた雰囲気…14点 D:コストパフォーマンス…2点 E:他店にはない特徴…11点
総合評価 計52点

それぞれ20点満点、合計100点満点
90点以上…ぜひとも常連になりたい
80点以上…ときどきは顔を出したい
70点以上…誘われたら行ってもいい
69点以下…おごりでも行きたくない

痛いニュース(ノ∀`):白金のヨン様レストラン”高矢禮” 総合評価52点 「おごりでも行きたくない」

あちゃー、やってしまったな、という感じである。しかし上記のブログの引用やコメント欄を見ていて気になったことがある。

・韓国の宮廷料理ってえらく質素だったんだね(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
・ドラマのチャングムみると、正直こんな感じだったな・・・なんというか、付け合せばっかりという感じだった。
・朝鮮文化をよーく学べるレストランですね
・当時の宮廷料理のレベルを忠実に再現してるのはわかった。

こんなことを言うのは、あまりに失礼ではないだろうか。

韓国の宮廷料理に? いやいや、その逆だ。

本当の韓国宮廷料理は、もっと粗末だったのだ! それなのに白金のヨン様レストランに失礼ではないか! 

通常の感覚ではこのレストランに驚きを受けるのも無理はないが、多くの人が「宮廷料理ってこんな貧相だったのか」などと、韓国に立派な宮廷料理が存在したことを前提に話しているのだ。中には、ファンタジードラマである『チャングムの誓い』を引き合いに出している人さえいる。

『チャングムの誓い』は、原作者がインタビューに答えて「ドラマは100%フィクション」「料理対決はマンガ『寿司王(将太の寿司)』を見て思いついた」と語っている創作ドラマだ。日本の大河ドラマのように、時代考証をしていると思ったら大間違いである。

● 日本マンガ「寿司王」からヒント

―前半部に、宮女たちが料理を作って王様と王妃などに評価を受ける場面がたくさん出ますね。食べ物競演をさせようという考えはどのように思いついたんですか。

『日本マンガ「寿司王」からヒントを得ました。料理に関する日本マンガは全部試合仕立てです。「これは面白いだろう」と思ったんです』

―宮廷で実際にそんな事が起った可能性がありましょうか.

『絶対にありえない事です(笑い)

ttp://leeyoungae.her.jp/bbslog/bbslog20040602.html#1228


まあ、勝負仕立てというドラマの作りはインスパイアということで不問にするとして、問題は料理の中身である。『チャングム』では、宮女たちが腕を競って美しい料理をふるまうが、実際はどうだったろうか。

何せ、『チャングム』の舞台である16世紀から300年も経ち、文化的にも洗練されたはずの19世紀になってからでさえ、韓国宮廷料理は「ただうず高く盛っているだけ」で「臭くて食べられない」ほどのシロモノだったのだ。

以下は、明治9年(1876)に、朝鮮に訪れた、日本の全権大臣による、朝鮮政府から振舞われた料理の記録である。

食事のことなど

食事は1日2回で、たいてい10種類から17、8種に至る。三尺四方ばかりの有脚盆にうずたかく盛り上げて、倒れ落ちるのを恐れるばかりである。
牛豚鶏魚の肉、草餅、羮汁など、みな、器、皿に堆積する。しかし臭味がひどく箸を下す者が少ない。
(略)それらが、1人に対して実に10人分程もある驚くべき量であった。

炎熱の時節でもあり、その異様の臭いに堪えきれず、胃腸も慣れないこともあって食傷を恐れて箸を下す者が稀であった。
なお、庶民のものは不潔で食べるべからずと言う。(宮本たちの食事はいわゆる宮廷料理と思われる。なおメニューにキムチは見当たらない。(笑)詳しいメニューを知りたい人はこちらをどうぞ。)

朝鮮国は豊かでないので賓客を迎えるのにふさわしいことが出来ないと言う。それで、人の口腹を飽くまで食べさせることをもって饗応とするらしい。しかし、膳台に種々の物をうずたかく積み上げて出すのを見ただけで、まず人をして飽きさせるものである

明治開化期の日本と朝鮮(9)

韓国宮廷料理とは言え、なんのことはない、「出すものが無いから、とりあえずあるものを沢山出す」程度の料理だったらしい。臭くないだけ、白金のレストランは大分ましなのではないだろうか。

韓国宮廷料理の幻想と現実

幻想

現実

(1970年代の儒教儀式の食饌だが、内容的に近いので参考として。これらが山のように盛られているイメージ)

また、衣服についても注意しなければならない。19世紀の時点になっても、朝鮮には衣服の染色技術がなかった。よって、普通の人々は真っ白な服か、(汚れて)真っ黒な服を着ており、王族など限られた人だけが、支那や日本から輸入した高価な衣服をまとっているに過ぎなかった。

宮廷の服装の幻想と現実

明国皇帝


朝鮮王

(そっくりだが、色や龍の数などで下位のランクになっている)

女性の服装の幻想と現実

幻想

現実

(この女性が胸を露出しているのは売春婦だからではなく、当時の朝鮮独自の文化。乳出しチョゴリを着られるのは、男子を産んだ女性だけに許された特権で、誇らしい衣装とされた。)

宮廷料理がどんなに粗末でも、TVドラマがどんなに嘘まみれでも、別に構わない。その複雑な地理的要因から、歴史上独自の伝統や誇るべき食文化を手にすることが出来なかったのは、朝鮮民族の不幸である。そこから目をそらすために、国内向けに虚構を流布するのは認めよう。私が文句をつける筋合いではない。

しかし、そうした虚構を日本に押し付けたり、日本の反日メディアが流布に加担したり、それによって騙された日本人の資産が朝鮮に吸い上げられていくとすれば、これを許してはならないのである。

(文・竹村 裕次)

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記者プロフィール

1975年 香川生まれ。
某大学経済学部卒。バックパッカーの日々を経て、現在はPR会社で日本を変える企画を練る日々。
思想は愛国保守。

【タイトル[こうもくてん]について】
広目天とは仏教四天王の1人で、古代インド神話では「千里眼を持つ者」。
広目天の如く、世界の出来事を漏らさずに見届け、この世の真実を書き留めるブログたらんことを理想としている。

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