アメリカの認識は100年遅い 米国務長官「西側は中国の覇権主義を長く容認し過ぎた」

アメリカ

ポンペオ米国務長官が豪メディアの取材に対して「西側は中国の覇権主義を長く容認し過ぎた」と語った。米国務長官の発言というのは、そのままアメリカの意思と見て良い。これが現在の、チャイナに対するアメリカの認識というわけだ。

戦後70年、アメリカはチャイナを甘く見すぎた

このインタビューに先立つ20日、ポンペオ国務長官はホワイトハウスでの記者会見で「1949年以降、チャイナは暴力的な覇権政権、共産党政権の統治を受けてきた。この数十年、われわれは貿易、科学交流、外国、WTO加盟を通じて、この政権がわれわれのように変化すると考えてきたが、それは起こらなかった。われわれはチャイナの考えや自由主義国家に対する政治的な敵対レベルを甘く見ていた。全世界はこの事実をはっきり認識しつつある」と発言していた。

それを補足する発言として24日、豪スカイニュースに出演した同長官は「私の数日前の発言は、西側が過去数十年にわたり(チャイナ共産党政権の行為を)容認してきたことを表すものだ。しかし、われわれは他の地域が同様の行為をすることを容認しない。新型コロナウイルスにより、世界もチャイナ共産党の本性をはっきり認識した」と語った。

またオーストラリアには、チャイナが提唱する新植民地主義「一帯一路」に協力合意を結んだ州(ビクトリア州)があるため、これについて同長官が「これは米国が重要情報共有においてオーストラリアをシャットアウトすることになり得る」と発言したことで、戦々恐々のようである。

アメリカがこのモンスター国家を育てた

はっきり言おう。遅すぎる。遅すぎる上にナイーブすぎる。アメリカは、チャイナが経済的に発展して、科学技術を与えて発展して、WTOにも加盟させてやれば、地域内で革命のような化学変化が起きて、日本のような穏当で平和な自由主義、民主主義的国家ができあがると夢想していたのだ。なんて幸せな思考回路だ。しかし、支那大陸で民主主義的なものが実現したのは、「中華人民共和国」と「北朝鮮民主主義人民共和国」いう国名だけだった。

結局、泥棒に追い銭を与えるがごとく、チャイナを肥え太らせて出来上がったのは、チベットやウイグル、などの周辺民族に対しホロコースト同様の民族浄化を実行に移し、核武装をして周辺国を威圧し、東シナ海や南沙諸島、尖閣諸島に対して侵略をする、野蛮で非道な前近代的軍事覇権国家の出現を招いただけだった。

アメリカのチャイナに対する幻想は130年前に始まる

アメリカのチャイナに対する幻想は、最近に始まったものではない。ポンペオの言うように、70年前に始まったものでもない。

1899年、時の米国務長官、ジョン・ヘイが、チャイナにおいて他国と同等の特権を得るべく、「門戸開放通牒」を発した。これは、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、日本、ロシアの列強各国に対し、チャイナの主権の尊重とチャイナ内の港湾の自由使用を求めるものだった。

当時のチャイナは、列強が分割して権益を確保しており、そこに日清戦争(1894-1895年)で清を打ち破った日本が参加した状態だった。アメリカはハワイ・フィリピン・グアムを手に入れており、さらに西進の侵略の手を伸ばして、チャイナの権益に参加しようとしていたのだ。

「チャイナの主権の尊重」などと言うと聞こえは良いが、要するに「遅れてきたアメリカにもチャイナでウマい汁を吸わせろ」という意図である。しかしナイーブなアメリカ白人は、その後、そういうポーズを取るうちに本当に「虐げられる善良なチャイニーズ」の幻想を見はじめていたのかも知れない。

この傾向はその後、日本が日支事変を開始し、国民党の蒋介石とその夫人が海外メディアに対し、日本の非道(捏造)とチャイナの被害を訴えるロビイ活動をすると、単純なアメリカの世論は一斉に「日本憎し」に切り替わり、「可哀想なチャイニーズを保護しなくては」となり、やがては太平洋戦争へと突き進むこととなった。

気づくのが遅かったとはいえ、今より遅すぎる時はない。アメリカはようやく、真に善なる国民国家は日本だけであることに気づいたのだろう。チャイナは、いくら産業や科学技術が発展しても、人民の自由度は上がらず、それはただひたすらに軍事面での脅威が増すことのみを意味する。

チャイナはアジアにあっても、共に手を取り合うに値する存在ではない。日本が150年前から分かっていたことを、ようやくアメリカにも分かってもらえた。

(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. 第二次世界大戦で日本を悪者にして叩いたシッペ返しが来てるだけだろ。

  2. 中国だけ中世のままだからなぁ
    勝った国が負けた国を皆殺し
    ルールも原則もない勝てば正義という時代にまた戻る事になる

  3. それ以前に戦略にハマった

    冷戦でソ連が民主化して勝利したと思わせられた

    実際は中国は生き残りをかけて資本主義の輪に自ら飛び込んできた

    これを西側は勝手に冷戦が終わったと思い受け入れ

    経済発展すれば民主化するだろうと安易に考えてしまった

    誤算はAI筆頭の科学技術、資本主義を独走できなくても

    10億人の経済、資力で先進国の技術をパクりつつ一気にトップに躍りでて

    世界を支配できる時代になった

    民主主義の多数をとれば内部破壊できる弱点を突いてきてるぞ

    批判すればそれだけで政権にダメージを与えられる

    時間は共産主義に味方する

  4. 豊かになれば民主化が進むと思って容認してきたのに、いつまでも中国共産党が権力握って、人民を弾圧し、周辺国への侵略行為を続けるだけ
    完全に見誤ったから、この機会に潰すしかない、それが世界のため

  5. 遅すぎるわ
    もう手がつけられない状態だろ
    西側でまとまれるのか
    それとも戦争でもする気か

  6. チベットとウィグルの人権弾圧は 糾弾しなければ 
    ナチスを容認するに等しい

  7. 国連が中国共産党を戦勝国認定し台湾を排斥、核保有を容認した
    党だぜ、中国は国じゃない世界征服を目論む秘密結社だろう
    ショッカーやスペクターみたいなもんだわ

  8. 第二次安倍政権発足時、中国はデフォルト寸前だった
    それが今やアメリカを凌ぐ超大国
    なぜか?安倍は現在まで500兆もの円を刷り、
    そのほとんどを株式市場に投入した
    答えはここにある。

  9. 簡単なことだ。
    中国がこれまで西側諸国に対しておこなってきたことを中国に対して
    やり返せばいいのだ。

    つまり、あらゆる契約を反故にすること。

  10. 人類史的に中国共産党が世界を牛耳るのは汚点となる

    中国は秦の始皇帝で止まった
    そのあとは常に人類史を後ろ向きに引っ張っている

    今回もそうだ

    広大な国土と膨大な人口、これらを支配するためには強権が必要だが
    その強権が発展を思想的にも技術的にも押さえ込んでる

    10分割統治しないと中国は世界の癌のまま

  11. 靖国の時は中国に味方して日本の背中刺して来たのはショックだったわ
    今でも忘れてないよオバマとケネディの所業は
    散々同盟国の日本を貶めて中国育てておいてよく言う

  12. 天安門事件のときに有無を言わさず世界が中共を解体しとけば今頃平和だったものを

  13. 中国自体がコロナみたいなもの
    甘く見て放置しすぎて手付けられなくなってる

  14. 結局白人のおごりがこの自体を招いたんだよ。
    有色人種なぞ俺らが本気になればどうとでもできる。
    せいぜい俺らの金儲けの為の道具に過ぎない……という驕りに中国が付け込んだんだよ。
    あいつらの根底にある差別意識が逆手に取られて取り込まれた。

  15. 日本にも言える事だね、親中派議員は日本が領海侵犯されてるのに中国寄りの激甘対応です。安倍内閣でマシにはなってはきてる。(個人的にはまだ甘い)それと大陸に工場持ってる企業の多いことよ。自分達が中国の蛮行に加担してるって自覚がない。中国が没落して国家破綻して内紛になっても助ける必要なし!金儲けで行ったんなら自業自得だよ。

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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