日本人の朝食は「パン派」72％、「ごはん派」58％の危機！　しかし若い世代はご飯は回帰の明るい兆しも

農林中央金庫が20～60代を対象に「昭和世代と平成世代の『食』習慣に関する調査」を行ったところ、朝食は「パン派」が72.4％で「ごはん派」の58.7％を上回ったとのことだ。これは日本人の伝統と食文化の危機である。

そもそも、日本人がこれほどパン、小麦粉加工食品を食べるようになった背景には、理由がある。大東亜戦争の敗戦だ。

昭和20年代(1945年～54年)　アメリカ余剰穀物処理砲

敗戦後、大東亜戦争で国力を使い果たし、またアメリカによる空襲で国土が交配していた日本は、食糧難にあえいでいた。そこに占領者として救済の手を差し伸べたのがアメリカだった。しかしかかる荒廃を招いたのもアメリカだし、これはDV夫が殴った後に絆創膏をつけるようなもので、感謝には値しない。しかもアメリカは逆にこの頃、国内の大農場で小麦、大豆等の過剰生産、過剰在庫が深刻化し、その余剰農産物のはけ口としてちょうど良かったのである。

アメリカは余剰農産物処理法 （PL480）を成立させ、日本に向けて官民挙げて農産物を輸出した。そして、アメリカから活動資金を受けて、日本で栄養学者や知識人が「日本人はコメを食べていたから戦争に負けた」「コメを食べると頭が悪くなる」などの、米に対する非科学的なネガティブキャンペーンを張り、同時に小麦食普及に血道を上げた。

昭和30～40年代（1955～1975年）フライパン運動とアメリカ小麦戦略

それと同時に、戦前まで少なかった油料理を普及させるために、「フライパン運動」を展開し、油の必要性を強調する栄養指導も熱心に行われた。また特に重視すべきは、学校給食ではパンと脱脂粉乳が無償援助されたことだろう。これで、この世代には子供のうちから洋食嗜好の下地を作ることにも成功したのだ。

こうした「アメリカ小麦戦略」の成功で、小麦、大豆、トウモロコシの九割以上がアメリカをはじめとする輸入品で賄われ、日本の食糧自給率は四割以下で先進国中最低の数字となっている。

筆者の親もこの世代の人間のため、実は幼少の頃、家庭では朝食はパン食だった。しかし高校生になってから、上記のアメリカの謀略に気づき、また日本の伝統食や健康の問題に気づき、意志の力で米食に戻した。

しかし、明るい兆しもある。冒頭の食習慣に関する調査で、内訳を見てみると、若い世代では「ごはん派」も増えているというのだ。

20代はご飯派に回帰？

　朝食に何を食べるか複数回答で尋ねたところ、「パン」を選んだのは20代74.4％▽40代68.3％▽60代74.6％――だった。一方、「ごはん」と答えたのは20代65.8％▽40代59.5％▽60代51.5％――で、若い人ほど多かった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190607-00000022-mai-soci

1950～80年代の、「アメリカ小麦戦略」が最も活発だった時期を超えて、最近では「地産地消」や「食育」など、日本の風土に根ざした食習慣や食文化を見直す動きが少しずつ広まっている。

筆者が小学生の頃の給食といえば、パンと牛乳、食器は先割れスプーンという下品で文化のかけらもない代物だったが、最近の小学校給食では、週に何回か「お箸の日」として箸を持参させ、洋風一辺倒ではなく、多様な食事メニューを実施しているようだ。

こうした「食育」が広まり始めたのは、ちょうど今の20代が小学生だった頃にあたる。

ロックバンドRAD WIMPSの愛国ソング『HINOMARU』騒動でも見られたように、今の若者世代は、パン給食世代のような、日本に対する蔑視や欧米崇拝のイデオロギーにとらわれず、素直に自分たちの国を愛する心が育ちつつあるようだ。もっとも、それは普通に暮らしていればどの国のどの民族も持ちうるものではあるので、これまでの日本がいかに異常だったか、ということの証左だろう。

あ、でもよく見ると『「パン」を選んだのは20代74.4％　一方、「ごはん」と答えたのは20代65.8％』（複数回答）とあるな。別に多数派になったわけでもなく、両方食べるようになった、食のバラエティが豊かになった、というだけの話なのかも知れない…。

歯切れの悪い締めとなってしまったが、いずれにせよパン食を日常食にすることは、アメリカの小麦戦略にまんまとハマることになるし健康にも良くないので、皆さん、ご飯を食べましょう！

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