北方領土について、日本人が最低限これだけは知っておきたい3つのこと

ロシア

日本維新の会の丸山穂高衆院議員が、北方領土について「戦争でこの島を取り返すのは賛成か」等と発言したとして問題になり、党からの除名処分となった。問題の発言は、北方領土へのビザなし交流訪問団に同行していた11日夜、国後島の宿舎で酒に酔い、元島民の団長(89)に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」 「ロシアが混乱しているときに取り返すのはオッケーですか」「戦争をしないとどうしようもなくないですか」などと質問したというもの。

丸山議員の主義信条や普段の活動は知らないし、酒に酔って放言というのも、オフレコの場とはいえいかにもまずい。(しかしオフレコの発言がなぜ録音されていたのか?)かばうつもりも共感もまったくないが、この発言内容そのものについて、 「日本の根幹である『戦争の放棄』『平和主義』から大きく逸脱した発言だ。非常識極まりない」 (松井代表)だの、 「政府の立場とは全く異なる。誰が見たって不適切な発言だ」 (菅官房長官)だの言われて発現を封じるのは、一種の言論弾圧につながるのではないか。丸山議員はあくまでIF(イフ)の話をしたに過ぎず、一般論としては、領土の境界線は戦争によって決まる、というのは古今東西の常識だ。

ロシアも、「こんな挑発的な発言をする人物は領土問題の解決を求めてはいない」「戦争という発言は日ロ関係において想像しうる最悪のものだ」(コサチョフ上院国際問題委員長 )と反応している。

いやいや、お前らには言われたくない。ロシアは、最近もラブロフ外相が 「北方領土はロシアが第2次世界大戦の結果として得たもので、これを認めることが、今後の日露交渉の絶対条件だ」 と発言している。

嘘である。ロシアがしたことは、戦争ではなく単なる火事場泥棒で、竹島に居座っている韓国軍と本質的に全く同じことをしているだけだ。

日本人なら、北方領土に関して、次に挙げる3つのポイントだけは知っておきたい。

1.ソ連は第二次大戦が終わってから日本を侵略した

日本は、8月14日にポツダム宣言を受諾し、「日本軍の無条件降伏(武装解除)」を連合国に通知し、第二次世界大戦が終わった。ところが、ソ連は8月16日から樺太18日から千島列島へと侵略を開始したのだった。9月2日、日本が戦艦ミズーリ上で降伏文書に調印したその後ですら、ソ連は侵略の手を止めず、9月5日に歯舞群島を占領して、北方領土のすべてを占領した。

日ソ不可侵条約を一方的に破り、すでに停戦している日本を侵略し、略奪と暴行の限りをつくした手口は、まさに火事場泥棒。57万5千人にも及ぶ日本人を拉致し、奴隷労働に従事させたシベリア抑留のことも忘れてはならない。

2.ソ連の北海道占領を、ある日本軍部隊が防いだ

米英ソによる密約、ヤルタ会談で、ソ連は「千島列島と南樺太の領有」を認めることを対日参戦の条件としていたが、後日、スターリンはさらに欲を出して「北海道の左半分をよこせ」と要求している。これはトルーマンによって否定されたが、スターリンは意に介さず、北海道全域を占領するつもりで作戦準備を進めていた。

しかし、北方領土、千島列島の最北端、守島にいた防衛隊が、限られた装備の中で8月18日から8月22日にかけて、死力を尽くして戦い、ソ連軍部隊に壊滅的な被害を与えたおかげで、ソ連の侵攻は北方四島を占領するまでしか届かなかった。このことは別サイト 占守島の戦い ~北海道を守った男達~ | 朱雀式ニュースに詳しい。

3.日本は戦争ができない

さて、ここが最も大事なところだが、いくら「戦争で奪い取らないと領土は戻ってこない」と勇ましいことをいっても、実際に日本は戦争ができない。現代の世界は、その戦力が向上しすぎて、実際に大国同士が戦端を開けば双方に破滅的な損害が出てしまうので、全面戦争は回避しつつ、お互いの抑止力を最大限に生かして、いわば観念上の戦争をする。早い話が、「実際に戦争したら…どうなるか分かっているな?」と脅しを入れるわけである。しかし、日本はそもそも一切の戦闘行為を禁止しています、というところからスタートしているので、抑止力がきちんと機能しない

本来なら、今回の丸山議員の発言もタブー化してロシアに陳謝するような姿勢ではなく、「戦争になったらお互い困りますよねえ、で、どうします?」と交渉をするくらいのスタンスでなければ、領土問題の解決などできない。そのために必要なのは、当然、日本国憲法(占領政策基本法)をさっさと破棄して、日本固有の、本来の憲法を制定することである。

占領憲法をそのままにしていては、北方領土問題は解決できないし、ロシアと和平条約を結ぶこともできない。

(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. 酔っ払ってというのが余計によくないね。最近の丸山はカズヤと組んで青山をdisったりして調子こいてたからいい気味だよ。
    とは言え、現実は丸山の言う通りで、綺麗事で解決するわけないんだから、もう少し頭のいい議員が国会で堂々と問題提起してもらいたい。

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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