川崎19人殺傷事件を受け国が就職氷河期世代、ひきこもりの就労支援へ「骨太の方針」ではまだなまぬるい

時事直言

川崎で発生した事件を受け、政府が急遽、就職氷河期世代を中心とした中年引きこもり対策の方針を打ち出した。犯人は51歳なのでいわゆる氷河期世代には当たらないし、家庭環境から推測される動機などもあり、一概に関連づけて考えることもできない面はあるが、取り組みとしては評価したい。

エラー|NHK NEWS WEB
就職氷河期世代、国が就業支援 不安定な仕事から脱却を:朝日新聞デジタル
 「就職氷河期世代」とされる30代半ばから40代半ばの世代が安定した仕事につくための支援策を29日、厚生労働省がとりまとめた。今後3年間を集中的な支援期間とし、正社員として雇った企業への助成金の拡充や…

筆者は常々、「就職氷河期世代問題の放置は現代の棄民政策だ」と訴え、政府の無策を非難してきた。人手不足で移民を受け入れたり、韓国から集団採用したりする前に、国内の働き盛り年齢の労働力をなぜ活用しないのか? 彼らは最初から日本語もできるし、10年以上に渡って国の教育コストをかけて育成した高度人材ではないか!

当時、不況にあえぐ企業は、新卒の採用を一斉に取りやめた。企業としては、景気が回復すればまた新卒採用を始めれば良いが、採用されずに非正規雇用、あるいは引きこもりになってしまった世代は、その後に企業に採用される道などなく、格差は死ぬまで固定されてしまうが、企業は営利が目的なのでおかまいなしだ。

その意味では、「正社員に採用した企業には最大60万円の助成金」「自治体が生活困窮者向けに実施している自立相談支援事業の対象にひきこもりの人も加える」という程度の対策では、効果は甚だ疑問だ。自治体が「職歴なし40歳の人を雇ってくださいね」と呼びかけたからといって首を縦に降る企業は少ないだろう。

もう二歩、三歩踏み込んで、障害者雇用のように一定の人数の雇用を義務付けたり、政府が直接公務員として雇用するなどの抜本的な対策を講じないと、手遅れになる。何も凶悪犯罪が頻発するとまでは言わないが、今後、氷河期世代の親が死んだ後に、大量の生活保護受給者を生み出すことになり、国家財政は破綻する。企業任せにしておけば代わりに外国人が雇用の穴を埋め、日本を襲う変化は「失われた10年」の比ではないだろう。

画像参照ページ 氷河期世代 最後の就活|くらし&ハウス|NIKKEI STYLE

(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. こういうことは、民間に押し付けないで
    公務員にでもしてやればいいよ

  2. 手遅れにも程がある

  3. なんで引きこもってるか考えろ
    そもそも無理だからなんだよ

  4. 加藤の時も慌てて派遣法改正したよな

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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