安倍首相「平和は勝ち取るもの」敵基地攻撃能力保有を検討 イージスよりも弾道弾と核兵器の議論が必要

日本

日本国民は、公正と信義を信頼するに足る、平和を愛する諸国民など、日本の周辺にはほとんど存在しないことを自覚するのであって、暴力と圧政と領土的野心を露わにする周辺国の脅威から、自らの手でわれらの安全と生存を保持しようと決意した。

日本国憲法前文風に言うと、こんなところだろうか。

安倍首相が18日の記者会見で、敵のミサイル発射基地を攻撃し、発射を抑止する「敵基地攻撃能力」の保有を検討する意思を示した。この議論はしばしば戦わされてきたが、首相がこのような形で明言するのは戦後初めてのことで、画期的な発言といえるだろう。

迎撃システムだけでは間に合わないし割りに合わない現実

北朝鮮など周辺国のミサイル技術が高度化する中、迎撃能力に頼るだけでは対処しきれない恐れが強いからとされている。具体的な手段についてはこれから検討されるが、もし保有すれば「抑止力」のあり方が根本的に見直され、「専守防衛」の方針は守勢的から攻勢的なものへと大転換する。

そもそもこの「専守防衛」という言葉は、まやかしですらない、単なる言葉遊びに過ぎない。攻撃に比べて、防衛には莫大なコストがかかる。先日、秋田県での配備を断念した陸イージス「イージス・アショア」にしろ、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)にしろ、飛来したミサイルを空中で迎撃する高度な防衛システムは、一度でも失敗すれば国土に甚大な被害が出るので、莫大なコストをかけて研究、配備しなくてはならない。それも、相手が少量ずつ撃ってくれればいいが、例えば100発一斉に斉射され、迎撃能力を超えた時点(飽和攻撃)で、対応不能となる。連続で撃たれても間に合わない。

破綻している専守防衛シナリオ

敵が、こちらが迎撃できる程度の本数、タイミングで撃ってくれて、しかもそれを一発必中で全弾撃ち落とす。その間に、アメリカ軍が敵基地を攻撃してくれることを期待する。こんな夢物語のようなシナリオが、日本の掲げる「専守防衛」である。控えめに言っても実現性に乏しい。はっきり言えば破綻している。

北朝鮮は昨年以降、17回の弾道ミサイル発射を繰り返しながら、10分以上かかっていた連続発射間隔を約20秒に短縮した。飛躍的な向上である。明らかに「飽和攻撃」を念頭に、日本を標的としていることが伺える。また、従来型より低く複雑な軌道を描くため迎撃が難しい新型の発射にも成功した。忌々しいが、日本からの流出技術とカネを最優先につぎ込んだ北朝鮮のミサイル技術は、着実に完成に近づきつつある。

イージス・アショアのような、コストばかりかかって技術的に課題の残る防御専用装備を開発する資金を使えば、敵基地に届く高精度の弾道ミサイルが何基も作れるだろう。そろそろ核兵器の保有も本気でアメリカと協議すべきだ。

平和と独立は勝ち取るもの

安倍首相はこの日の冒頭発言で
「(北朝鮮の)弾道ミサイルの脅威から国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくことは政府の最も重い責任だ」
「平和は人から与えられるものではなく、我々自身の手で勝ち取るもの」
「(日本を守り)抑止力、対処力を強化するために何をすべきか」「この夏、国家安全保障会議で徹底的に議論し、新しい方向性をしっかりと打ち出し、速やかに実行に移していきたい」と述べた。

平和は人から与えられるものではなく、勝ち取るもの。戦後の日本人が、もっとも忘れてしまった精神だ。

敵基地の攻撃能力を持てば、自衛隊は警察予備隊のままではいられなくなり、自然と国防軍の名を冠することになるだろう。「日本が再軍備をすすめると周辺国を再侵略する」などと妄言を吐くのは、日本を弱体化させて侵略の夢を叶えたいチャイナ、南北朝鮮の反日三兄弟と、国内でその傀儡となっている左翼だけなので無視してよい。

近代国家の多くは、独立戦争を経て成立しているため、自らの力で平和=独立を勝ち取ること、軍隊という有形力で自らの国を守ることに対して意識的で、国民の合意がえられている。アメリカでも民主党だからといって、米軍の解体を口にするものはいない。

日本は、近代に独立戦争を戦った記憶がなく、また有史以来最大の戦争による最初の敗戦でアノミーに陥り、アメリカにWGIPで洗脳されたため、国家解体主義者と軍事アレルギーによって蝕まれてきた。今こそ、そんな戦後レジームから脱却すべきときだろう。

(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. 時代はレーザー、超音速ミサイルだしな
    今までの待つ装備じゃ間に合わんからなあ

  2. 最後っ屁で言うんじゃなくて、3、4年前くらいには言ってなければならなかっただろ。
    最後っ屁で言いだすのでは、また口だけかって思われるぞ。
    次の内閣になったら、またウヤムヤになるだろ。

  3. 何だ代替案がないってヒゲの隊長が言ってたの嘘じゃん
    敵攻撃となると従来の防衛思想からの転換になるから言い出しにくかっただけだろ
    たぶん電磁波で無力化するから人を殺さないってことで説得して来ると思う

    • 彼の言ったことも間違いはないんだよ

      弾道ミサイルの発射基地など、敵の基地を直接破壊出来る能力のこと
      政府の見解では、他に手段がない場合のやむをえない必要最小限度の措置として、「法理的には自衛の範囲に含まれ可能」としている
      現在は、日米の防衛協力のもと、敵基地攻撃はアメリカが担うことになっていて、政府は「日米の役割分担を変更することは考えていない」と、敵基地攻撃能力の保有を否定しているが
      そこのタガを外すか否かの話しの分水嶺が>>1の話なんだと思うんだが
      何はともあれ遺憾砲よりは着実に日本防衛が進めれる話しだと思うんだが?

  4. 最低限でも弾道ミサイルと空母は必要だろう
    核はまだ様子見だけど

  5. 遅いよ
    来週にも北は暴発しそうなのに

    まぁイージスアショアは間に合わないけどね
    どっちにしろ

  6. 潜水艦を22隻体制から30隻体制へ増勢。
    増加した8隻については、背中を膨らませてVLSにし、巡航ミサイルや中・短距離弾道ミサイルを搭載する。
    敵から攻撃されにくい極めて有効な「反撃能力」になる。
    とりあえず「繋ぎ」としてトマホークのような魚雷発射管から撃てる巡航ミサイルを開発するのも良い。
    日本の技術力ならすぐに開発できるでしょ。
    陸上イージスは敵に居場所を晒すことになるので効果が薄い。

  7. 当然だよねw
    イージス・アショアが中止になったんだから,代替案として
    この案が出てくるのは当たり前w

  8. 反対してる奴等はどうしたらいいのかを語れよ

    • 敵地攻撃能力は最も安上がりな防衛戦略なのになw
      専守防衛のほうがよっぽど金かかる。
      実際、旧ソ連相手の冷戦時代なんて北海道の駐屯地は「撒き餌」で
      最初に全滅するのを前提にしていたもんな

  9. 仮想敵国がどこか?というのはずいぶんと昔話で、
    日本にミサイルを飛ばせる国の範囲が広がっているのだから、
    そこに対して先手を打てる準備は必須だよな。

    そのためにも憲法の改正は必要。
    日本を守るためにね。

    ハッキリ言って、朝鮮半島ごときは大した問題じゃない。

  10. ならず者国家に対しては、イスラエルみたいに定期的に爆撃するくらいじゃないと

  11. しかしここでまさに追い風だな
    外から国を守るという十分な理由になるわけだしやっぱり持ってるわ

  12. 専守防衛なんてマヤカシでしかない。
    こちらの迎撃ミサイルより敵が1発多く核ミサイルを持っている時点でおしまい。
    こちらが攻撃するミサイルを持って初めて相手の攻撃を抑止できる。

  13. アショアより、コスパ良い抑止力になるのなら
    迎撃より防衛予算的に良いんじゃね

  14. 巡航ミサイルと滑空弾配備が既定路線で
    巡航ミサイルでは反撃の為の速度が足りないって結論が防衛部会で出ているのだから
    代替手段で有力なのは巡航ミサイルで無く米国の中距離核戦力含む弾道弾配備でしょ

  15. アメリカによって憲法9条で封印された大日本帝国を韓国と北朝鮮が眠りから目覚めさせる
    一度目覚めたら行くところまで行かないと収まらない魔物
    不完全体の日本と言う国が鎧を着て楯と鉾を持って完全体の大日本帝国となる日は近いよ

  16. ロシアが開発したアバンガルドのような急に軌道を変えられる極超音速滑空弾で攻撃を受けたら、
    今のミサイル・ディフェンスでは対処できないことがはっきりしている。
    もうイージス・アショアなんて何の気休めにもならない物に大金ぶち込むのははオシマイ。

  17. 現状のままの軍備では、軍備費用は増大するばかりである。
    軍備費を増やさないためには核武装が一番効果的だ。
    日本の隣国は、明らかに公然と我が国をタ-ゲットとして軍備を拡大しているのだから・・・。
    核武装すれば自衛隊を増やすことも必要なくなるし、軍需用品購入も減少できる。
    これを実現させるためには憲法改正など解決しなければならない多くの難問があるが
    こいう構想をもってひとつづつ解決していけばいい。

  18. 攻撃する順序の問題は確かにある。
    1・完全に先制攻撃
    2・相手が明らかに対日攻撃を準備してることが判明した時点で先制攻撃
    3・相手に攻撃を受けた後の反撃

    3は当然自衛行為として許されるけども
    2の場合も可能だという国会答弁は無かったかな。
    いずれにしても少なくとも北朝鮮を
    いざというときは壊滅できるだけの攻撃力を持つべきか、という課題があるのでしょ。
    いままではそこは米軍がやることが前提になっていた。

  19. 地上配備型のイージスアショア計画中止になったけど、あれ費用対効果があまりに悪すぎて、かつ配備したとたん技術遅れで、敵ミサイル技術の発展に追いつかないんだよ。
    むしろ敵の発射基地を攻撃したり、報復攻撃用の武器を持つ方が、遥かに現実的だ。
    いい加減いかれた9条神話から脱却して、現実的な安全保障の見直しをしたいのもだ。

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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