トランプ大統領の頼みは“シンゾー” 安倍首相、イランへ電撃的訪問

アメリカ

安倍首相が、12日から3日間の日程でイランを訪問する。日本の首相のイラン訪問は実に約41年ぶりのことで、ロウハニ大統領と、イランの最高指導者ハメネイ師とも会談する方向で調整中だ。トランプ大統領が5月の来日時に「ぜひイランに行ってほしい。シンゾーしかいない」と首相に要請したとのことだ。また、イラン側からも5月中旬に来日したザリフ外相から訪問要請を受けている。

首相が12日からイラン訪問 緊張緩和「シンゾーしかいない」(1/2ページ)
 安倍晋三首相は12~14日まで3日間の日程でイランを訪問する。現職首相のイラン訪問は昭和53年の福田赳夫氏以来、約41年ぶり。首相はロウハニ大統領だけでなく…

米国とイランの間で軍事的緊張が高まる中、これは安倍首相にとってはかなりの大役であり、国際外交の中では一世一代の大舞台と言ってもいいだろう。トランプ大統領は昨年5月、2015年の核合意からの離脱を表明し、イランへの制裁を再開した。イラン側は対抗措置として今年5月に核合意の一部不履行を表明しており、中東地域の緊張感はますます高まっている。中東の軍事大国であるイランも、世界最大の超軍事大国であるアメリカも、お互いそう簡単に振り上げた拳を下ろすことはできない。しかしできれば戦争を回避したいのは双方にとっての本音だろう。

キリスト教文明圏とイスラム教文明圏は、十字軍遠征の昔から、伝統的に対立してきた。現代においては反米・反グローバリゼーションの潮流とイスラム世界から発したテロリズムがアメリカを始めとする西欧社会と激しく摩擦を起こしている。そこで調停役として白羽の矢が立ったのが日本、安倍首相となったわけだ。日本は文明的、伝統的に、そうした宗教対立、文明対立とは無縁の場所に立っている。現在も両国と友好関係を築いている立場を生かし、緊張緩和の調停役としてはうってつけだ。

どんな結果を外交的成果とみなすかについては、筆者はまずはイランに訪問して、首脳、指導者と会って、アメリカとの交渉のテーブルに付く地ならしだけでもできれば、上々の成果と言えるのではないかと思っている。アメリカ、イラン、双方から要請を受けているのが本当に大きい。日本外交が国際的に示すプレゼンスは、戦後70年の中で今が最も高まっていると言えるかも知れない。

(文・櫻木)

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コメント、ネットの反応

  1. これ、難業だぞ。
    交渉の下地を作っただけでも称賛されるレベル。
    何はなくても「両者から仲介者」と認められるという意味合いは小さくないと思う。

  2. オバマのときはイラク荒れたもんな

  3. イランがアメリカともめるとイランに投資した分が無駄になるからね

  4. 身柄を拘束されてる米国人を一人でも連れ帰って来たら大成功

  5. 原発を止めて日本の石油依存が
    高まったからここで戦争が起きたら
    大変なことになるからな

  6. あと5年くらい総理やってくれ
    改憲は無しでな

  7. 日本はイランと仲いいから
    ペルシャ王国時代から

  8. イランと外交関係樹立90周年なんだな いい関係が続きますように

  9. 何か罠じゃないだろうなw
    アメリカが日本を頼るなんて不安になるわ。

記者プロフィール

櫻木

在野のコラムニスト。1975年生まれ。大東亜戦争の戦地の取材をライフワークとしており、台湾やインドネシアとの親交が深い。

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